格安SIMには、大きく分けて2つの種類があります。大まかにいえば、電話とインターネットが使える「音声通話SIM」と、インターネットのみ利用できる「データ通信専用SIM」に分かれます。

さらに、データ通信専用SIMには、電話回線で短いメールの送受信ができるSMS(ショート・メッセージ・サービス)が使えるか使えないかで2種類に分かれます。分類すると、以下のようになります。

・音声通話SIM(音声通話+SMS+ネット)
・データ通信専用SIM SMS機能付き(SMS+ネット)
・データ通信専用SIM SMS機能なし(ネットのみ)

これを理解しておかないと、格安SIMを買うときに、自分の利用目的のSIMがどれなのか分からなくなってしまいます。この記事を読めば、それぞれのSIMがどのような特性を持つかを理解し、契約時に何を買えばいいのか迷うことがなくなります。

音声通話プランは付けるべきか

音声通話SIMは電話番号が設けられるため、電話回線による「通話」ができます。また、インターネットも使えるため、ネットサーフィンやLINEなどのアプリを利用することも可能です。

音声通話プランは、携帯電話として必要な機能が全て含まれています。そのため、メインのスマホとして格安SIMを使うユーザーの9割以上が音声通話プランを選ぶことになります。あなたがdocomo・au・softbankで利用しているSIMも、この音声通話SIMに該当します。

ただ、最近ではLINEなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で通話をする人が多くなっています。そのため、そもそも電話機能自体が必要なのかどうかを見直してみる必要があります。

音声通話プランのメリット

まずは、音声通話を付けることで、どのような利点があるのかを説明します。

・他社への転出・転入(MNP)が可能

電話番号をそのまま引き継ぎ、別の通信会社へ乗り換えることをMNP(モバイル・ナンバー・ポータビリティ)と呼びます。

音声通話プランは電話番号を取り扱うプランのため、大手3キャリアから格安SIMへ切り替えるにあたり、今までの電話番号を引き継ぐことができます

家族や親戚の緊急連絡先として現在の電話番号を保有しておきたかったり、何かの契約や申し込みなどで携帯番号を登録していたりする場合は、音声通話プランを選びましょう。

・通話の品質が良い

また、音声通話は通話の品質が良いです。例えば、IP電話で通話を行うと、途切れ途切れになってしまったり、音にノイズか混じったりしてしまいます。しかし、音声通話を利用すれば、そのようなことはほとんど起こりません。

・緊急連絡先への通話が可能

110番や119番などの、公的機関への連絡は電話番号を所有してなければ行うことができません。したがって、緊急時には音声通話プランに入っていた方が良いということになります。

例えば、交通事故に遭ったときに、音声通話SIMを持っていなかったとします。警察に連絡をするため、一度その場を離れると、法律上「ひき逃げ」に該当してしまう可能性があります。

IP電話(LINEなどの通話)では、警察に連絡することができません。そのため、上記のようなトラブルに巻き込まれたときには、音声通話ができると安心です。

以上が、音声通話プランにしたときのメリットになります。

音声通話プランのデメリット

音声通話プランのデメリットは一つだけです。それは、音声通話を付けないプラン(データ通信プラン)と比べて、料金が高くなるということです。

例えば、格安SIMのmineo(マイネオ)のプランを例にとってみましょう。mineo(マイネオ)のドコモ回線プランを見てみると、以下のような内容になっています。

mineo(マイネオ)の場合、音声通話が加わるだけで、基本料金が700円/月も上がってしまいます。とはいえ、音声通話の料金を上乗せしても、大手キャリアと比較すればまだまだ格安SIMは安いといえます。

ただし、頻繁に通話を行う場合は、格安SIMの通話は割高になることが多いです。なぜなら、大手3キャリアでは当たり前のようにあった「無料通話」が、格安SIMでは有料オプションを追加しないと付けられないことが多いからです。

例えば、大手3キャリアの基本プランには、「1回の通話が5分以内であれば、何回電話をかけても無料」というものがあります。

しかし、格安SIMのプランには、無料通話サービスは付いていません。格安SIMで無料通話にするためのオプションを付けない場合、30秒あたり20円(税抜)の料金がかかります

UQモバイルや楽天モバイルなどの一部の格安SIMは、最初から無料通話が付いているプランもあります。しかし、ほとんどの格安SIMには上記の通話料がかかるため、頻繁に電話をする場合は、通話オプションの充実した格安SIMを選ぶ必要があります。

以上が、音声通話プランにしたときのデメリットになります。

音声通話プランに向いている人

いまのところ、電話が出来ないと困る人が多いため、ほとんどのユーザーは音声通話プランに加入します。特に、以下の特徴に当てはまる場合は、無難に音声通話にしておいた方がいいです。

  • 2台持ちを検討していない人
  • 通信品質を重視している人
  • 今の電話番号を引き継ぎたい人
  • 頻繁に通話をしない人

上記の内容に該当する場合は、音声通話プランにしておきましょう。ただ、どうしても格安SIMで長電話を利用したいのであれば、以下の記事で紹介している格安SIM事業者から選ぶことをおすすめします。

長電話ができる格安SIMを検討している人はこちら

データ通信プランのSMS機能は付けるべきか

データ通信専用SIMは、インターネットのみ利用することができるSIMです。そのため、こちらのSIMでは通話をすることができません。

携帯電話といえば、電話が使えることが当たり前のように感じるかもしれません。しかし、格安SIMに関しては、そのようなことはありません。なぜなら、格安SIMを利用する人の中には、「インターネットだけ使えればいい」という人が存在するからです。

例えば、通話の手段として大手3キャリアの折りたたみ携帯などを利用し、インターネットはデータ通信プランの格安SIMを使うという「2台持ち」にするときに、「データ通信プラン」を利用することがあります。

2台持ちは、組み合わせ次第では料金が安くなったり、使えるインターネットの使用量が増えたりします。複数の契約を持つことに抵抗がなければ、検討してみてください。

「2台持ち」に関する詳細記事はこちら

こうした使い分けをする人にとって、ネットのみの契約は非常に重宝します。

ただし、データ通信プランには注意すべき点が一つだけあります。それは、ショートメッセージサービス(SMS)が使えるものと、そうでないものが存在することです

SMSとは、全角70文字程度の短い文章を送受信できるメールサービスです。

SMS機能がなくても、gmailやyahooメールといったフリーメールを使えば、メールのやり取りは事足ります。むしろ、SMSは70文字ほどしかやり取りできないため、長文や写真などの容量の大きなデータを送信したいときは、Eメール(アドレスを用いたメール)を使う必要があります。

ただ、SMS機能が付与されることで、SMS機能無しのデータ通信専用SIMと大きく異なってくる部分がいくつかあります。私は、「SMS機能付き」をおすすめしていますが、その理由をこれから述べます。

SMS認証を利用できる

インターネットのサービスを利用するときに、認証登録と呼ばれる作業を行うことがあります。認証登録とは、インターネットのサービスを使うときに、本人であることを証明する作業です。

具体的には、ワンタイムパスワードと呼ばれる「5~10分間の有効期限付きのパスワード」を指定のアドレスに送ります。ワンタイムパスワードを確認したら、サービス画面のフォームにパスワードを入力することで、本人が操作をしていることを証明します。

この認証登録により、赤の他人が自分のアカウントサービスにアクセスすることを防ぐことができます。さらに、他人が自分のアカウントを不正に侵入しようとしたことを感知することができます。なぜなら、登録に使われているアドレスは自分の所有物だからです。

そして、SMS宛にワンタイムパスワードを送信する認証方法のことを「SMS認証」と呼びます。メールアドレスによる認証は、アドレスをそもそも持っていなかったり、気軽に変更できたりするため、認証方法として不確実な点があります。しかし、SMSであれば前述の問題は回避されます。

最近では、このSMS認証を採用するインターネットサービスが増えています。なぜなら、電話番号を持っていれば誰でも利用できる機能ですし、気軽に変更することもできないからです。

そのため、SMS機能が付いていないと、「SMS認証により利用できるサービス」を使うことができなくなります。

例えば、LINEもそのひとつです。LINEを新規登録したり、機種変更して端末が変わったりしたときに、必ず電話番号宛にショートメールを送ります。そこに書かれた4桁の暗証番号を入力しないと、LINEの登録やデータの引き継ぎを行うことができません。

このようにして、認証作業を進めていきます。

今回はLINEを例に挙げましたが、重要なのはLINEを使うかどうかではなく、格安SIMでSMS認証が必要なアプリを利用するのかどうかということです

自分の使いたいアプリやサービスが、SMS認証を必要とする場合、SMS付きのデータ通信プランを選んでください。

緊急用の連絡手段として利用できる

SMSとは、電話回線を利用したメールサービスのため、インターネット回線の影響を受けません。どういうことかというと、仮にインターネットが繋がらなくなってしまっても、SMSは利用することができるという意味です。

データ通信プランは、インターネット回線のみ使用できるプランです。したがって、インターネットが繋がらなくなってしまうということは、一切の連絡手段が断たれることを意味します。

例えば、登山で遭難してしまったとき、インターネット回線の電波が届かなくても、電話回線の電波さえ受信できれば、SMSを介して助けを呼ぶことができます。

このように、緊急時の連絡としてSMSを使うことができるため、複数台持ちをしない場合は付けておいた方が安心です。

SMS無しでは、電池の消耗量が激しくなる可能性がある

スマホには、電波が受信できない状態を「不安定」と捉え、頑張って電波を受信しようとする特性があります。

本来は受信状態を維持してくれるありがたい機能なのですが、電波を受信しようとスマホが頑張ると、電池の消耗を著しく早めてしまいます。

SMS付きのデータ通信プランは、通話はできませんが、電話番号が付与されます。電話番号が付いていれば、電話回線の電波を受信し、スマホが「安定した状態」になるため、電池の消耗を抑えることができます。

しかし、SMS無しのデータ通信プランの場合、電話番号は付与されず、電話回線を受信することができない状態になります。ずっと圏外になり、電波が受信できているのか全く分からない状態を「アンテナピクト問題」といいます。

圏外になってしまうと、スマホ側は電波が受信できない不安定な状態だと捉えてしまうため、「電話の電波が受信できないぞ!?」と躍起になり、電波を探し始めてしまいます。

しかし、電話番号がないので音声回線として認識されず、電波を受信することはありません。その結果、スマホは常に電波を受信するため頑張り続けます。すると、通常よりも電池の消耗がずっと激しくなってしまうというわけです。

これを「セルスタンバイ問題」と呼びます。

しかし、圏外になるかどうかはスマホによって異なるため、確実に電池消耗が激しくなるとは言い切れません。しかし、スマホは元々、電話回線を利用する前提で作られているため、電波を受信しない可能性は十分考えられます。

このような不要な心配をしないためには、SMS機能を付けておくことをおすすめします。

SMSの有無による価格差がほとんどない

前述のように、SMS機能があることによる恩恵は多いです。しかし、これほどの違いがありながら、SMSの有無による価格差はおおよそ140円しかありません。

また、一部の格安SIMのプランであれば、SMS機能が基本料金に最初から含まれているものもあるため、場合によっては、追加料金を支払わなくてもSMS機能を利用することが可能です。

先ほども説明した通り、SMS機能が付くことで、SMS認証が必要なアプリを利用できたりバッテリー消耗量を抑えたりすることができます。

この内容を、140円ほどの追加料金を支払うだけで付けることができます。特に理由がなければ、データ通信プランでは、SMS機能付きがオススメです。

エントリーパッケージ購入時の種類の見分け方

格安SIMを申し込むときに、必ず用意しておきたいものに「エントリーパッケージ(申し込みパッケージ)」があります。

エントリーパッケージとは、格安SIMの契約時にかかる初期費用(契約事務手数料)を免除してくれる前売り券のようなものになります。

初期費用は、基本的に3000円(税抜)かかります。それに対して、エントリーパッケージは500円程度と安いため、余程の理由がなければ、エントリーパッケージを事前に買っておいた方がいいです。

ただし、エントリーパッケージを買うときの注意点として、音声通話・データ通信のどちらのタイプのパッケージなのかが予め決まっているということが挙げられます。そのため、間違ったパッケージを買ってしまうと、契約したいプランで申し込みをすることができなくなってしまいます。

見分け方として、以下のような文言がパッケージに記載されています。

  • 音声通話プラン=「音声」「音声通話」「音声通話対応」など
  • データ通信プラン(SMS付き)=「SMS」「SMS付き」「SMS機能有り」など
  • データ通信プラン(SMS無し)=「データ」「データ通信」「何も記載なし」など

このようにパッケージには書かれているため、自分が契約したいプランを見極めたうえで、エントリーパッケージを買うようにしてください。

まとめ

電話やインターネットが使える「音声通話プラン」は、全体の9割のユーザーが申し込むポピュラーな契約プランです。電話を使うシチュエーションはまだまだあります。基本的には、こちらのSIMを契約することになるでしょう。

もし、インターネットしか使えない「データ通信プラン」を検討しているのであれば、SMS機能の付いたSIMをおすすめします。なぜなら、SMSがあれば、以下のような利点があるからです。

  • SMS認証が使える
  • 緊急連絡手段として使える
  • 電池の消耗を抑えることができる
  • SMS無しとそこまで金額が変わらない

また、エントリーパッケージを購入する場合は、音声通話対応のパッケージなのか、それともデータ通信対応のパッケージなのかを見極めるようにして下さい。

このように、格安SIMには種類の違いやそれぞれの特徴があり、商品を選ぶ際に注意しなければならないことがあります。自分がどのようなタイプの格安SIMを使いたいのかを明確にし、それに適した商品を選ぶようにしてください。


大手携帯会社では、ショップ店員に不要なオプションを付けられたり、複雑な条件で分かりにくかったり、なかなか理想的な契約を行うことができません。

一方で格安SIMであれば、Webから申し込むことで月1,500~2,000円などの通信料となります。また、プラン内容も、すべて自分の思い通りに決めることができるため、不要なオプションで金額が高騰することはありません。

ただ、格安SIMによって、以下のような違いがあります。

  • 通信速度の速さ
  • 特典やキャンペーンの充実度
  • アフターフォロー
  • ショップの有無
  • カード払い以外の支払いが可能か
  • 単独契約向けか複数契約(家族)向けか

これらを理解したうえで格安SIMを選ぶようにしましょう。以下のページで格安SIMの特徴を解説しているため、それぞれの事業者の違いを学ぶことで、格安SIMを選ぶときの失敗を防ぐことができます。