他社へ電話番号を引き継いで携帯を乗り換えることをMNP(モバイルナンバーポータビリティ)といいます。大手携帯会社から格安SIMへ乗り換える際には、このMNPという手続きを行うことが必須です。
ただ、格安SIMへ乗り換えるためには、いくつかの手順を踏まなければなりません。乗り変えるタイミングを調べたり、スマホを調達したりと事前に行うべきことがたくさんあります。場合によっては、携帯のデータをバックアップする必要もあるでしょう。また、契約に必要なものも用意しなければなりません。
こういうと、「面倒くさそう」「複雑すぎて自分には無理」と思うかもしれませんが、安心してください。この記事を読めば、格安SIMに乗り換えるまでのさまざまな疑問を解消し、格安SIMに変えてから後悔をすることはなくなります。
キャリア解約時にかかる手数料とMNPをすべきタイミング
大手携帯会社の契約は、2年間の更新契約であることがほとんどです。更新契約とは、契約を満了しても自動的に再契約を行い、半永久的に継続していく契約のことをいいます。
この契約の期間中に解約、もしくはMNPを行うと、解約料金として9500円(税抜)を支払わなければなりません。
ちなみに解約料金のほかに、タイミングに関係なく3000円程度の転出料金という手数料がかかります。転出料金はどうにもなりませんが、解約料金はタイミング次第で払わなくても良くなります。
では、解約料金を支払うことなく、他社へ乗り換えるにはどうすれば良いでしょうか。
解約更新月に乗り換えると解約手数料がかからない
大手携帯会社は2年ごとの契約のときに解約更新月という期間を設けています。解約料金を支払うことなく今の会社を離れるには、この契約から25〜26ヶ月目(契約して2年が契約した後、1〜2ヶ月以内)に訪れる2ヶ月間の解約更新月にMNPを行う必要があります。
最初の解約更新月を逃したとしても、さらに2年経てば49〜50ヶ月目のタイミングで2回目の解約更新月が訪れます。しかし、基本的には1回目の更新月で他社へ乗り換えをしてください。
なぜなら、スマホは中身のシステム更新に伴い、機種がシステムの性能に追いつけなくなってくるため、4年以上、機種を使い続けることが難しいためです。
例えば、パソコンもwindowsが最新バージョンのシステムに更新されると、今までとやっていることは同じでも、妙に動きがカクついたり、データのダウンロードに時間がかかったりすることがあると思います。
それと同じで、このシステムの更新によりスマホとシステムの性能差が大きくなればなるほど、操作の動きが遅くなったり、電池の消耗量が激しくなったりします。
私は家電量販店員としてお客さんのスマホをたくさん見てきましたが、発売から3年以上経過しているスマホは、ほとんどが使い物にならないほど処理能力が低下していました。
処理能力が低下した動きの遅いスマホでは、画面をタッチしてから2~3秒後に反応してしまい、操作ミスを頻繁に引き起こしてアクセスしたくもないページに飛んでしまいます。また、youtubeやゲームなどは、読み込みが遅すぎて一向に始まらないといったことが起こります。
実際に動きが遅くなったスマホを使ってみると分かりますが、やりたいことが全く先に進まないと相当なストレスになります。そのため、最初の更新月に機種を変えて処理能力が安定しているスマホに切り替えた方がいいです。
特に、いま利用しているスマホを格安スマホとして使おうと考えているのであれば、なおさら早い段階で切り替えておかないといけません。いざ、格安スマホとして使おうとしても、不具合だらけで使い物にならなくなってしまいます。
以上のことから、可能な限り1回目の更新月に格安SIMへ乗り換えてください。
大手携帯会社の解約更新月を調べる方法
契約の仕組みが分かっていても、実際に自分の解約更新月がいつなのかを把握している人は少ないです。契約の書類を2年間保管している人も少ないため、まずは自分の解約更新月を調べる必要があります。
更新月は、各携帯会社が運営している顧客管理サイトから閲覧できるようになっています。それぞれ、「My docomo」「My au」「My softbank」と呼ばれています。
このサイトにアクセスするためには、IDとパスワードが必要です。IDは電話番号かメールアドレスで設定されています。パスワードに関しては、ドコモは4桁の暗証番号、auとソフトバンクは8文字以上の英語と数字を含むパスワードが必要です。この2つを入力することでログインできます。
以下に各携帯会社の更新月を調べる手順の一例を画像で載せています。画像はiPhoneの操作で行っています。やり方は機種により多少異なりますが、項目の進め方は同じです。これを参考にして、まずは自分の解約更新月を把握してください。
docomoの場合
- 「My docomo」 へアクセス
- 「契約内容確認などオンライン手続き」を押す
- 「ドコモオンライン手続き」を押す
- 契約時に決めた4桁の暗証番号を入力後、「ログイン」を押す
- 「ご契約内容確認・変更」を押す
- 2ページ目に進む
- 料金プランのご契約プランの項目に更新月が記載されている
auの場合
- 「My au」 へアクセス
- 「ログイン」を押す
- au IDとパスワードを入力して、「ログイン」を押す
- IDとパスワードを入力後、「ログイン」を押す
- 同意するにチェックをつけて、「OK」を押す
- 「ご契約情報」を押す
- 料金割引サービスの項目に更新月が記載されている
softbankの場合
- 「My softbank」へアクセス
- 電話番号とパスワードを入力し、「ログイン」を押す
- 携帯電話番号とパスワードを入力後、「ログイン」を押す
- 「メニュー」を押す
- 「携帯・オプション管理」を押す
- 基本料の項目内の更新期間に更新月が記載されている
以上のように、まずは自分の解約更新月がいつなのかを把握する必要があります。自分の更新月がいつか分かれば、どのタイミングで乗り換えるのが最適なのかを理解できるようになります。
乗り換えるべきか、留まるべきかの判断基準
解約更新月が分かったとしても、2年のタイミングを狙うのは難しいです。場合によっては、いまの高い月額料金を払い続けるよりも、解約金を払ってでも“いま”乗り換えた方が得策であることもあります。
他社へ乗り換える際の手数料は、解約料金の9500円(税抜)と、他社へ乗り換える際に必ず発生する転出料金3000円(税抜)です。合計で「9500+3000=12500」で12500円(税抜)となります。
つまり、月額料金の価格差が手数料の12500円(税抜)を上回れば、タイミングが合わなくても変えた方がお得になります。
例えば、今のスマホの月額料金が8000円/月だとします。格安SIMに変えることで2000円/月までおさえることができるとすれば、「8000−2000=6000」で毎月6000円の差になります。乗り換えた場合と乗り換えなかった場合と比較すると、以下のような月々の価格差が生まれます。
今のスマホのまま | 格安SIMに乗り換えた場合 | 月々の差額 | |
1ヶ月目 | 8000円 | 10000円(※1) | +2000円 |
2ヶ月目 | 8000円 | 2000円 | ▲6000円 |
3ヶ月目 | 8000円 | 2000円 | ▲6000円 |
4ヶ月目 | 8000円 | 2000円 | ▲6000円 |
合計 | 32000円 | 16000円 | 16000円差 |
※1 10000円の内訳は、最終月は移転元と移転先の月額金額が重複するため、「8000+2000=10000円」で10000円となります。ちなみに乗換先事業者の基本料金は日割になることが多いですが、単純化するためにここでは割愛します。
すると、4ヶ月目で手数料の合計12500円(税抜)を上回る16000円になります。つまり、解約更新月が4ヵ月先だったとしても「16000-12500=3500」で3500円お得になるため、この例では更新月を待たずに格安SIMに変えた方が費用は少なくなります。
このように更新月までの月額の差と、解約手数料を天秤にかけることで、いまMNPをすべきかどうかが分かります。解約手数料の金額に踊らされることなく、本質的な損得を見抜けるようになれば、無駄なお金を払わずに済むようになります。
乗り換える前に準備しておくべきこと
MNPは他社へ乗り換える契約のため、必然的に前の携帯会社を解約することになります。すると、今まで利用していたサービスが利用できなくなるため、いくつか事前に行っておくべきことがあります。
ここでは、事前に行うべきことや、乗り換える前の注意点を伝えます。
機種をそのまま使うか、端末を新たに購入してスマホ本体を用意する
まず、格安SIMと格安スマホは別物です。「格安SIM」は契約情報を紐づけている小さなチップのことを指します。そのチップをスマホに挿入することで、挿入したSIMカードの契約内容でスマホが利用できるようになります。この状態のスマホを「格安スマホ」といいます。
格安SIM事業者と契約して格安SIMを手に入れても、SIMを入れる受け皿となるスマホがないと格安スマホは使えません。そのため、格安SIM用のスマホを用意する必要があります。
スマホの調達方法は主に2つです。
一つ目は今までの端末をそのまま使う方法、二つ目は新品・中古で新たに購入する方法です。
今までのスマホを使い続ける場合は、他社のSIMカードが挿せないようになっている「SIMロック」がかかっていないかを調べましょう。ショップにいけばすぐ調べてもらえます。
もしくは「My docomo」「My au」「My softbank」といった顧客管理サイトからSIMロックを外すことができます。ショップは3000円程度の手数料を取られてしまうため、可能な限り顧客管理サイトでSIMロックを外すようにしましょう。
ただ、docomoのスマホであればSIMロックを解除しなくても格安スマホとして利用できる場合がほとんどです。格安SIM事業者の9割はdocomoの電波を使っているため、同じ電波を使っている事業者であれば、SIMロックを外す必要がないからです。
ただ、既存のスマホを使うのであれば、発売から3年以上前の機種を格安スマホとして利用するのはあまりオススメしていません。なぜなら、スマホの中のシステムが常に更新されていくため、古すぎる機種ではシステムの性能に追いつけなくなるからです。
システムと機種の性能の差がひらくと、電池消耗が激しくなったり、動きが非常に遅くなったりします。試しに使ってみてもいいですが、すぐ機種を交換することになるでしょう。したがって、既存の機種を使い続けるのであれば、最低でも1年前までに発売した機種を使うようにしてください。
もうひとつの調達方法として、新しく買うという方法があります。
中古を買う場合は、GEOやドンキホーテのような店頭、もしくはAmazonやYahooオークションなどのサイトで購入できます。
そのとき、必ず出品者にSIMロックが解除されているかを確認してください。SIMロックがかかっていた場合、SIMロックを解除する手数料をこちらが負担しなければならなくなる可能性があります。
また、格安SIM事業者がSIMとセットでスマホを販売する「スマホセット購入」という方法もあります。この場合、購入するSIMとの互換性は保障されているため、安心して使うことができます。
例えば、格安SIM事業者のmineo(マイネオ)では、インターネットの契約手続きで、以下の画像のように、スマホの購入を促します。
本体の選択・色の選択・本体料金の支払い方法「一括払い」か「分割払い」を選択して、申し込みを進めていきます。この方法が、最も信頼できる新規購入方法です。
ただ、格安SIM事業者によっては、スマホセット販売を行っていない事業者も存在します。この購入方法で契約したい場合は、乗り換え先の事業者がスマホセット販売を行っているかどうかを確認してから契約をしてください。
以上の方法で、格安SIM用のスマホを自分で用意しておきましょう。
フリーメールを作る
格安SIMへ乗り換える場合、ネックになるポイントとして大手携帯会社のメールアドレスがなくなることが挙げられます。
アドレスがなくなると、メールでやり取りをしていた人にアドレス変更を伝えなければならなかったり、Amazonなどのサイトに登録していたアドレスを変更したりしないといけなくなるためです。
さらにほとんどの格安SIM事業者には、事業者専用のメールサービスがありません。そのため、無料で登録できて、かつ自由に使えるフリーメールがひとつあると非常に助かります。
例えば、ショッピングサイトを利用するときや、LINEやゲームなどの登録にもメールアドレスが必要になります。フリーメールは携帯会社に縛られないため、他の会社に乗り換えるときにアドレスの引き継ぎを気にする必要がなくなることもメリットの一つです。
したがって、MNPを行うときにはフリーメールの登録が必要です。中でもオススメのフリーメールはGoogleのGmailになります。Gmailを薦める理由は、パソコンやスマホなどのあらゆるデバイスで利用するにあたって、汎用性が非常に高いことがあります。
例えば、Androidスマホ(ほぼ、iPhone以外のスマホを指します)では、中のシステムをGoogleが作っているため、最初からGmailのアプリが入っています。YahooやHotmailといったフリーメールでは専用のアプリを個別でスマホに入れなければいけません。
iPhoneに関しても、標準で付いているメールアプリにGoogleの項目があるため、Googleを選択して登録しておけばすぐに利用できます。このように、フリーメールの中ではGmailがスマホと最も相性が良いといえます。
Gmailの登録方法が分からない場合は、以下にやり方を記載しているので参考にしてください。
【Gmailの登録方法】
- 「Google」へアクセス
- 右上の「ログイン」を押す
- 「その他の設定」を押す
- 「アカウントを作成」を押す
- 個人情報やアドレス、パスワードなどを設定し、「次のステップ」を押す
- 右下の「同意する」を押す
- 登録完了
この流れでGmailを登録できます。既にフリーメールを所有している場合は、パスワードが分かっていれば、それをそのまま使ってください。
申し込みに必要になる本人確認書類・クレジットカードを用意する
MNPは契約のため、当然ですが契約者本人であることを証明しなければなりません。証明方法は、本人確認書類の提示になります。
本人確認書類の中で、最も有効なのは運転免許証です。なぜなら、顔写真付きで住所や証明書を更新したタイミングなどが分かり、最も信頼性が高いためです。
保険証でもいいですが、補助書類が必要になります。3ヶ月以内発行の本人名義の公共料金領収書(電気・ガス・水道)か、住所が一致している住民票が補助書類に該当します。免許証を持っていない場合は、この組み合わせが有効になります。
本人確認書類の情報が最新の状態に更新されていない場合、住所を変更してから手続きをして下さい。更新していなくても手続き上は契約できてしまう場合もありますが、契約詐称となります。意図的に行うと最悪の場合、逮捕されてしまうこともあります。
そのため、ここは正しい手順を踏んで契約をしましょう。面倒臭がってはいけません。
続いて、月額料金の引き落とし先を設定するために必要なクレジットカードの話をします。
クレジットカードを持っていない場合もあると思いますが、その場合はクレジットカードを作りましょう。銀行口座の引き落としでも可能な事業者はありますが、非常に数が少ないです。
銀行口座の引き落としが可能な事業者は、「UQ mobile」「楽天モバイル」「BIGLOBE SIM」「OCNモバイルONE」の4社のみです。会社の選択肢が少ないうえ、クレジットカード経由でしか得られないポイント還元などの特典もないです。そのため、口座引き落としはメリットが格段に減ります。
ただ、クレジットカードを持つことを嫌う人も多いです。私もお金の管理が難しいと思っていたため、以前はクレジットカードに手を出しませんでした。
しかし、クレジットカードを持つようになってから、そこまで危惧していたことは起こりませんでした。
むしろ、「月額の引き落としのみに利用する」など、用途を限定することで、かえって管理しやすくなりました。あればあるだけお金を使ってしまう一部の人の悪いイメージが定着しているだけです。
クレジットカードに手を出したくないほど堅実な人であれば、誤った使い方を侵してしまうことはありません。
また、クレジットカードは、それ自体が審査の基準として高く評価されます。格安SIM事業者は大手携帯会社と違い、規模がそこまで大きくありません。そのため大手携帯会社以上に、未払いで踏み倒されてしまわないよう信頼のある人と契約を結びたいのです。
クレジットカードの審査が通らない人は、格安SIM事業者の審査も通らない可能性が高いです。そのため、基本的には銀行口座の引き落としではなく、クレジットカードを用意してください。
機種変更の前にデータ移行のためバックアップを行う
ネットワーク上で人同士の繋がりやコミュニティの構築を目的とした、いわゆるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、ネット上のサービスを受ける権利であるアカウントで管理されていることがほとんどです。
アカウントはメールアドレスとパスワードを登録しておくことで、今までのデータを保存しておくことができます。LINEなどのアプリも、連絡リストやスタンプなどの購入履歴はLINEアカウントで紐付けされています。
アカウント作成時に登録したメールアドレスやパスワードを覚えていれば、新しいスマホでアドレスとパスワードを入力するだけで、大体の必要なデータを移すことができます。
しかし、パスワードを忘れてしまうとデータ移行が不可能になることがあります。なぜなら、MNPをしたあとでは、パスワードを復旧させることができなくなる可能性があるからです。
パスワードを忘れた場合、救済措置として登録しているメールアドレス宛にパスワード再発行用のメールを送信することができます。例えば、googleアカウントのパスワード入力画面には、以下の画像のような項目があります。
googleアカウントのパスワード入力ページ
このとき登録しているアドレスが大手携帯会社のキャリアメールだった場合、MNPを行うことで、アカウントに登録していた大手携帯会社のメールが使えなくなってしまいます。
登録しているアドレスが利用できなくなると、救済措置も利用できなくなります。すると、データ移行が難しくなってしまいます。
そのため、各アカウントのパスワードは、MNPを行う前に再設定しておきましょう。そして、忘れないように覚えておかなければなりません。
移行データが電話帳や写真などのSNS以外であれば、MNPのあとでもデータ移行ができます。これらのデータは事前に引き継ぐ必要はありません。
しかし、上記のようなアカウントで紐付けされているサービスの場合は、事前にパスワードを再設定しておきましょう。MNPをしたあとでは手遅れになります。
携帯会社のポイントを引き継ぐ
大手携帯会社には、自社のサービスをお得に利用するためのポイントが設けられています。ただし、解約や他社への乗り換えを行えば、いままで溜まってきたポイントは無くなってしまいます。
「大して溜まっていないから無くなっても困らない」という人もいますが、人によっては万単位で溜まっていることもあります。このポイントを無駄にしない方法として、各社が用意しているプリペイドカードにポイントを避難させるという方法があります。
プリペイドカードにポイントを移しておけば、全国の加盟店で買い物として利用することができるため、携帯会社の関連商品以外でもポイントを利用することができるようになります。
溜まっているポイントを無駄にしたくないのであれば、ポイントを事前にプリペイドカードに引き継いでおく必要があります。
ちなみに、softbankは2014年4月以降から、ソフトバンクポイントの付与を廃止しています。現在は、TSUTAYAやファミリーマートなどで利用できるTポイントとして一緒に管理されるようになりました。そして、ソフトバンクポイントは有効期限が3年間のため、2018年からはソフトバンクポイントの保有者はいなくなりました。
TポイントはTカードで管理されているため、ソフトバンクを解約しても影響が出るものではありません。移すポイントもないため、softbankにおいては事前に行うべき処理はありません。
docomoのdポイントをdカードに移す方法
dポイントを引き継ぐには、dアカウントと呼ばれる管理権限を取得しなければなりません。そして、引き継いだdポイントを利用するためのdカードが必要になります。
dアカウントを作ることで、他社へ乗り換えた後でもdポイントが利用できるようになります。dアカウントを作っていない場合、まずはこのアカウントを作ることからはじまります。
dアカウントの取得手順は以下の通りです。
- 「My docomo」へアクセス
- 「メニュー」を押す
- 4桁の暗証番号を入力し、「ログイン」を押す
- 登録情報の入力(※このとき、必ずドコモ以外のメールアドレスを登録すること)
- 入力内容の確認
- メールアドレス確認
- 発行完了画面
dアカウントの取得方法画像解説
既にdアカウントを持っている場合でも、dアカウントのIDがドコモのメールアドレスだった場合、「継続手続き」という処理を行う必要があります。継続手続きの手順は以下の通りです。
- 「My docomo」へアクセス
- docomoIDとパスワードを入力し、ログインを押す
- ドコモ以外で、利用可能なメールアドレスを入力する
- ワンタイムキーというパスワードが書かれたメールが届く
- 上記のワンタイムキーを入力する
継続利用手続き方法の画像解説
dアカウントがない状態で、他社へ転出してしまうと、dポイントが失効してしまいます。逆に、dアカウントを作っておけば、他社へ乗り換えた後でも365日まではポイントが失効されません。
そのため、1年以内にドコモのインフォメーションセンターに電話をして再ログインできるように申請をすれば、dポイントが利用できるようになります。
しかし、dポイントを残しても、利用するにはdカードを作らなければいけません。dカードはポイントを溜めて使うだけのプリペイドカードと、クレジット機能のついたクレジットカードがあります。どちらでも構いませんが、ここではプリペイドカードの作成方法について説明します。
dカードの作成手順は以下の通りです。
- dカードを入手する(ドコモショップや家電量販店、ローソンなどで無料でもらえる)
- 「プリペイド登録ページ」にアクセス
- 「dポイントカードの登録を始める」を押す
- dアカウントのIDとパスワードを入力後、「ログイン」を押す
- 「dポイントカード/dカードプリペイド」を選択
- dポイントカード番号とセキュリティコードを入力する
- 名前・性別・電話番号・生年月日・住所を入力する
- 「お客様情報の取り扱いに関する注意事項に同意する」にチェックをつける
- 「dポイントクラブ特約に同意する」にチェックをつける
- 「次へ」を押す
- 登録内容を確認した後、「手続きを完了する」を押す
画像で説明
これでドコモ解約後でも、dアカウントで管理されたdポイントをdカードで利用することができます。
auのauポイントをau walletに移す方法
auのポイントを引き継ぐには、まずau walletというプリペイドカードを作成しなければなりません。プリペイドカードはショップに行けばすぐ手続きしてもらえます。しかし、カードはその場で発行されることはなく、郵送で後日送られてきます。だいたい1週間ほど時間がかかりますので、早めに作成しておきましょう。
続いて、au IDを取得する必要があります。以下に取得手順を記載します。
- 「au IDの管理ページ」へアクセス
- auの携帯電話番号と4桁の暗証番号を入力後、「au IDの確認・パスワード再設定」を押す
- au IDのパスワードを新しく作り、「設定してログイン」を押す
au IDを作成してau walletが届いたら、続いてauポイントをwalletポイントに変換する手続きをしなければなりません。折りたたみ携帯とスマホで手続きの方法が異なるため、以下に2パターン登録手順を記載しています。
パターン1.スマホの場合
- au walletの「ポイント交換ページ」へアクセス
- au IDとパスワードを入力後、「ログイン」を押す
- ポイントを変換するauの電話番号にチェックをつける
- 「全てのポイントを交換する」にチェックをつける
- 「次へ」を押す
- 「ポイントを交換する」を押す
画像添付
パターン2.折りたたみ携帯の場合
- 携帯の右上あたりにある「EZボタン」を押す
- 「auポータル」を押す(機種により呼び方は異なりますが、一番上の項目です)
- サイトの上にある「au WALLETポイント(ポイント/au ID)」を押す
- 「ポイントを使う・貯める」を押す
- 4桁の暗証番号を入力して、「OK」を押す
- その他の項目の中にある「ポイント交換」を押す
- 再度、4桁の暗証番号を入力して、「OK」を押す
- ポイントを変換するauの電話番号にチェックをつける
- 「全てのポイントを交換する」にチェックをつける
- 「次へ」を押す
- 「ポイントを交換する」を押す
画像添付
これで、auを解約した後でも、au walletカードに移行したポイントを利用することができます。ただ、au walletには有効期限がカード表面に記載されており、有効期限を過ぎてしまうとポイントが利用できなくなるため、早めに使うようにしてください。
MNP予約番号を取得する
他社へ乗り換えるためには、移転元の携帯会社からMNP予約番号をもらう必要があります。MNP予約番号の取得には、以下の3つの方法があります。
- ショップで取得する
- 電話で取得する
- インターネットで取得する
この中で、インターネットから取得する方法を推奨しています。理由として、「待ち時間が無い」ことと、「引き止めが無い」ことがあります。
ショップなどの窓口では、混み合うと待たなければなりません。特に、ショップはネットで予約制度を導入するようになったため、ふらっと立ち寄って店内に入っても予約のお客さんでいっぱいです。予約番号を取るだけで、下手をすると2時間以上待たされることもあります。
またショップ・電話で予約番号を取得するにあたり、最も注意すべき点として「店員・オペレーターの引き止め」があります。引き止めとは、オペレーターが自社の顧客を他社へ逃さないためにMNPをやめるように説得してくることです。
オペレーターによっては、かなり執拗な引き止めにあいます。こちらが「もう決めたので大丈夫です」とさえぎろうとしても怯むことはありません。
「弊社ではこんなにお得なキャンペーンがありますよ」などと特典をほのめかしたり、「ポイントなくなりますよ」と脅してきたりなど、やり口は様々です。
このオペレーターの口車に乗ってはいけません。ただ、この引き止めが原因で格安SIMに乗り換えることができない人も少なからずいます。
そのため、インターネットでの取得方法をえらぶべきです。しかし、インターネットで取得できないパターンがあります。具体的には、以下のユーザーが該当します。
- docomoの家族割引の代表回線者
- auのスマホ利用者
- softbankのスマホ利用者
auとsotbankのスマホでは、ネットから予約番号を取得することができません。docomoユーザーは、スマホでもネットから予約番号を取得できます。
ただ例外として、家族グループの代表回線の場合はインターネットからの取得ができません。そのため、これらに該当するユーザーは電話で取得する必要があります。
これから、それぞれの取得方法について解説していきます。
インターネットで取得する方法
docomoのスマホの場合
※SPモード未契約、家族グループ代表者は取得不可
- 「My docomo」へアクセス
- IDとパスワードを入力し、「ログイン」を押す
- 「住所や契約内容の変更手続きがしたい」を押す
- 「ドコモオンライン手続き」を押す
- 「携帯電話番号ポータビリティ予約(MNP)」を押す
- 画面下あたりの「解約お手続き」を押す
- 「上記注意事項を確認しました」にチェックを入れ、「次へ」を押す(×3回)
- MNP予約番号発行完了
画像添付
docomoのガラケーの場合
※iモード未契約、家族グループ代表者は取得不可
- 折りたたみ携帯の「iモードボタン」を押す
- 「i-menu」を押す
- 「お客様サポート」を押す
- 「お申込み・お手続き」を押す
- 「ドコモオンライン手続き」を押す
- 「同意する」にチェックをつける
- 4桁の暗証番号を入力し、「ログイン」を押す
- 「携帯番号ポータビリティ予約」を押す
- 「予約する」を押す
- MNP予約番号発行完了
auのガラケーの場合
※EZweb未契約の場合、取得不可
- 折りたたみ携帯の「EZwebボタン」を押す
- 「auお客様サポート」を押す
- 「申し込む/変更する」を押す
- 「携帯電話番号ポータビリティ(MNP)」を押す
- 4桁の暗証番号を入力し、「次へ」を押す
- MNP予約番号発行完了
画像添付
softbankのガラケーの場合
※S!ベーシックパック未契約の場合、取得不可
- 「設定・申込」を押す
- 「設定・変更」を押す
- 「契約者情報の変更」を押す
- 「番号ポータビリティ(MNP)予約(予約番号の発行)」
- MNP予約番号発行完了
画像添付
電話で取得する方法
まずは、MNP予約番号を取得する問い合わせ先に電話をしなければなりません。電話は、「プランの変更は1番を押してください」といった音声案内で進んでいき、最後にオペレーターにつながるようになっています。
問い合わせ先を以下の画像にまとめました。ただ、途中で電話番号や4桁の暗証番号を要求される場合もあるため、音声案内はしっかりと聞いたうえで電話をかけてください。
オペレーターに繋がると、先ほども言ったとおり自社への引き止めが始まります。実際に、私がauからMNP予約番号を電話で取得したときの会話を以下に要約しました。これを参考にして、くれぐれもオペレーターの口車に乗せられないようにしてください。
オペレーター(以下オペ):「大変お待たせいたしました」
私:「MNP予約番号が欲しいです」 オペ:「かしこまりました。契約状況をお調べしますので少々お待ちください」 3〜5分程度待つ(おそらく契約状況を見て、提案内容を考えている) オペ:「お待たせしました。それでは、予約番号発行の前にいくつか確認事項がございます」 私:「はい」 オぺ:「今回はどちらのキャリアへお乗り換えのご予定ですか? また、機種は何をご検討されていますか?」 私:「今のiPhone7をそのまま使って、格安SIMに乗り換えるつもりです」 オぺ:「ありがとうございます。その格安SIMとはUQmobileでしょうか?」 ※UQmobileはauの子会社のため、au側としては最悪、UQmobileを契約してもらおうと考えている。 私:「いえ、mineo(マイネオ)さんです」 オぺ:「そうでしたか。ちなみにそちらの事業者様では毎月いくらぐらいの料金になるとおっしゃっていましたか?」 私:「毎月2000円ぐらいと言っていました」 オぺ:「実は、弊社でもピタットプランをご契約いただけると月々2000円ほどでご利用いただける場合がございます」 ※ピタットプランはネットの利用量に応じて料金が上がってしまう。さらに、家のネット環境なども含めてすべてのキャンペーンを適用した状態の最低利用料金(1GB未満)で計算しているため、条件が合わなければ2000円以下にはならない。 私:「mineoさんはネット3GBまで使えて、2000円以下と言っていたので大丈夫です」 オぺ:「そうですか。ちなみにお客様は解約の更新月ではありませんので、解約料金が税込10260円発生いたします」 私:「はい、分かっています」 オぺ:「あと、6ヶ月ほどお待ち頂ければ更新月を迎えます。もし、今auに残って頂けるようでしたら特別に10000円分のauポイントを差し上げます。いかがでしょうか?」 私:「せっかくのお話ですが、もう決めたので結構です」 オぺ:「かしこまりました。それでは、MNP予約番号発行にあたっての注意事項をお伝えします…」 中略 オぺ:「ご説明は以上になります。今から3〜4分後にショートメールにて予約番号を送らせて頂きます。今までauをご利用頂きまして、誠にありがとうございました。」 私:「お世話になりました」 |
以上のようなやりとりで、電話にてMNP予約番号を取得することができます。
取得方法は、どの方法を選んでも問題ありません。ただ、何度も言うように、待ち時間の長さやオペレーターからの引き止めがないインターネットからの予約番号取得をオススメします。
そのため、可能な限りインターネットから取得してください。
まとめ
まとめると、以下のような手順になります。
- 解約更新月を確認し、乗り換えのタイミングを決める
- 格安SIMを入れるためのスマホを調達する
- 携帯会社の乗り換えに影響されないGmailなどのフリーメールを作っておく
- 運転免許証やクレジットカードを手元に置いておく
- データのバックアップのために、アプリなどのパスワードを再設定しておく
- 大手携帯会社のポイントを、各社プリペイドカードに引き継ぐ
- MNP予約番号を、インターネット、もしくは電話にて取得する
ここまでが契約前の下準備になります。このあたりまで網羅しておけば、格安SIMに乗り換えをした後に、引き継ぎできないデータが見つかったり、使おうと思っていたスマホが使えなかったりといった事態を防ぐことができます。
面倒くさいとは思いますが、悔いの残る契約をしないためにぜひチャレンジしてください。
大手携帯会社では、ショップ店員に不要なオプションを付けられたり、複雑な条件で分かりにくかったり、なかなか理想的な契約を行うことができません。
一方で格安SIMであれば、Webから申し込むことで月1,500~2,000円などの通信料となります。また、プラン内容も、すべて自分の思い通りに決めることができるため、不要なオプションで金額が高騰することはありません。
ただ、格安SIMによって、以下のような違いがあります。
- 通信速度の速さ
- 特典やキャンペーンの充実度
- アフターフォロー
- ショップの有無
- カード払い以外の支払いが可能か
- 単独契約向けか複数契約(家族)向けか
これらを理解したうえで格安SIMを選ぶようにしましょう。以下のページで格安SIMの特徴を解説しているため、それぞれの事業者の違いを学ぶことで、格安SIMを選ぶときの失敗を防ぐことができます。