格安スマホを使うとき、インターネットのサービスは充実しているものの、電話のサービスはいまひとつです。なぜなら格安SIM事業者が提供するプランには、国内通話を時間制限無しで電話できる「かけ放題プラン」が存在しないからです。

格安SIM事業者のサイトやカタログなどを見ると、追加で付与できるサービスの中に「かけ放題オプション」といった名前を見かけるため、一見するとかけ放題のプランがあるように思えます。

しかし、これらのオプションは全て時間制限が設けられています。「1回の通話○○分以内なら無料」という意味なので、完全な時間無制限ではありません。

では、格安スマホを所持しながら時間を気にせず電話をかけたい場合はどうすればいいでしょうか。答えは格安スマホとは別に電話用の携帯を持つことです。

2台持ちをすれば、格安スマホを持ちつつ国内通話を時間無制限で通話することができます。この記事では、無制限で通話するための携帯電話を選ぶにあたっての金額の抑え方や注意点を伝えます。

※紹介する金額は全て税抜きです。

電話用の携帯はY!mobileかsoftbankで手に入れる

かけ放題プランを取り扱っている会社は、docomo、au、softbankの大手3キャリアと、Y!mobileの4社のみです。

この4社のうち、どれか1社と電話のプランのみで契約します。そしてインターネットは格安スマホを使うことで、月の料金を低価格で維持しつつ、電話し放題にすることができます。

どの会社を契約すれば良いかは、あなたが契約している携帯会社や、持っている携帯がスマホか折りたたみ携帯かなどの契約状況によって変わります。

また、いくら安くても提供エリアや電波が入らないなどの理由で選択できる携帯会社が制限されてしまう可能性もあります。以上を踏まえた上で、どの携帯会社を選ぶべきかをこれから教えます。また、選ぶ際の注意点も解説していきます。

Y!mobileの折りたたみ携帯が最も安くてオススメ

Y!mobile(ワイモバイル)の折りたたみ携帯は基本料金や本体など全て込みで1934円/月で利用できます。特別な条件は必要ないので誰でもこの価格にすることができます。

内訳は以下のようになります。

  • ケータイプランSS 934円/月
  • スーパーだれとでも定額 1000円/月
  • 本体料金 実質0円/月

1934円になる計算式は「934円(ケータイプランSS)+1000円(スーパーだれとでも定額)=1934円(合計金額)」です。

このとき、インターネット接続サービスの「ベーシックプラン」は付けないでください。付与すると、300円の月額料金がかかるばかりか、ネットやメールの使用量もかかってしまいます。

公式ホームページで見積もりを出すと加入必須と出てきますが、付けなくても契約可能です。また、付与しないことによるペナルティもありません。

※Y!mobileの公式HPより引用

しかし、ショップによってはベーシックプランの契約を義務付けているところもあります。もし、ベーシックプランが必須と言われたら違うショップに行きましょう。同じように見えても代理店によって販売内容は異なります

ここに、実質0円で本体料金が24回の分割で入ってきます。

実質0円とは、本体の分割金額に対して同じ金額の割引が入り、本体の負担が0円/月になることを指します。例えば、本体料金が1320円/月かかるとしたら、それと同時に1320円/月の割引が入ってきます。

そのため、端末料金の負担は無しと考えて問題ありません。

ただし、2年以内に機種変更してしまうと割引だけが途中でなくなってしまうため、残りの本体料金を支払わなければならなくなります。

例えば、1320円が実質0円になっている場合、残り12回の支払いが残っている状態で機種変更をしてしまうと割引無しの1320円×12ヶ月=15840円を払う必要が出てくるわけです。

ちなみに、契約者が一括払いの申請をしなければ、通常は分割払いで残債の支払いが継続されますので覚えておきましょう。

いずれにしても、途中で機種変更してしまった場合は、残りの本体料金を支払わなければならなくなるため、最低でも2年間は使うようにしましょう。

ドコモ、auの折りたたみ携帯ユーザーはsoftbankで最安値を実現できる

ソフトバンクには、「ガラケー通話し放題割」というキャンペーンがあります。これはドコモとauで折りたたみ携帯を利用している人が、softbankの折りたたみ携帯に乗り換えると3年の間だけ基本料金から1000円/月の値引きが入るというものです。

このキャンペーンを利用すれば、総額で1500円/月からソフトバンクの折りたたみ携帯を利用できるようになります。しかしひとつ注意点があります。それは、インターネットを利用すると最大で5700円まで毎月の料金が上がってしまうことです。

ソフトバンクではインターネットを利用できるようにする「S!ベーシックパック」と「データ定額S」というオプションを付けなければなりません。なぜなら、この2つのオプションを付けないと本体料金が実質0円にならないからです。

まとめると、以下のような内訳で契約をすることになります。

  • 通話定額基本料 2200円/月
  • ガラケー通話し放題割 ▲1000円/月
  • S!ベーシックパック 月300円/月
  • データ定額S 月0〜4200円/月
  • 本体料金 実質0円/月(青字のプランへの加入が条件)

1500円になる計算式は「2200円(通話定額基本料)−1000円(ガラケー通話し放題割)+300円(S!ベーシックパック)=1500円(合計金額)」です。

データ定額SはインターネットやEメールを利用しなければ増えることはありません。

本体料金の実質0円とは、先ほども説明した通り本体料金と同じ金額の値引きをして本体料金の負担を0円/月にするものです。上記の2つのオプションを付けないと値引きが適用されなくなります。

例えば、本体料金が1320円/月の場合、割引がつかないため1320円/月がそのまま月額料金に反映されます。すると、以下のような内訳で2520円/月を支払うことになってしまいます。

  • 通話定額基本料 2200円/月
  • ガラケー通話し放題割 ▲1000円/月
  • S!ベーシックパック 300円/月
  • データ定額S 0〜4200円/月
  • 本体料金 1320円/月
  • 月額割引 ▲1320円/月

2520円になる計算式は「2200円(通話定額基本料)–1000(ガラケー通話し放題割)+1320円(本体料金)=2520円(本体料金)」です。

そのため、インターネットのプランが付いたとしても、1500円/月から持てるプランで契約した方が出費を抑えることができます。

ただし、電話用の携帯として所有するこちらの携帯では、間違ってもネット検索、アプリ、Eメールなどを利用してはいけません。特にインターネットやアプリは利用料金が高いため、少し利用するだけでも5700円/月まで上がってしまいます。

しかし、電話かけ放題を実現するにあたって、このキャンペーン利用が最も安く折りたたみ携帯を持てる方法となります。softbankでは上記の内容により1500円/月で契約できますが、docomoやauでは最低でも2200円/月で持つことになります。

docomoとauの折りたたみ携帯を持っているのなら、ガラケー通話し放題割を利用してsoftbankの折りたたみ携帯にするべきです。

Softbank / Y!mobileの電波が入らない場合の対処法

ソフトバンクとY!mobileは同じ通信設備を共有しているため、ソフトバンクが使えないエリアではY!mobileも使えません。そのため、前述したY!mobile、softbankの契約をしたくても山奥などエリア外の地域に住んでいる場合、必然的にdocomoかauのどちらかを選択することになります。

どちらのキャリアもかけ放題の基本料金は2200円/月のため、あとは本体の負担がどれだけかかるかの違いになります。

折りたたみ携帯(ガラケー)が現役ならそのまま使う

いま利用している折りたたみ携帯に破損や不具合がなければ、会社も機種もそのまま使うと良いでしょう。

支払いが完済されていれば本体料金のことは気にしなくても良いので、基本料金の2200円/月がかかるだけで済みます。もし、本体残債が残っている場合は負担を軽減するのは正直厳しいです。携帯自体が壊れていないなら、完済を待ってから電話用の携帯として利用するのが望ましいです。

また、契約が終わっている折りたたみ携帯が家に眠っていればそれを再契約してまた使うこともできます。そのときは、docomoで契約した折りたたみ携帯ならdocomoで、auで契約した折りたたみ携帯ならauで再契約するようにしましょう。

ドコモの携帯を持って、auショップに行ってもその携帯をauで使えるようにはしてくれません。なぜなら折りたたみ携帯の場合、他社携帯には反応しないようにロックされているからです。

新しく買うなら他社へ乗り換える

逆に、いま持っている機種が不具合を起こしているならすぐにでも携帯を買い直すべきです。使えない携帯を持っていても意味がありません。

共通して言えることは、機種変更(同じ会社で機種だけ変更する契約)よりもMNP(他社へ乗り換える契約)の方が機種代金が安くなる傾向が強いということです。

現在の携帯がdocomoであればauに、auであればdocomoに乗り換えるべきです。auには「auケータイデビュー割」というキャンペーンもあるのでお得です。

auケータイデビュー割とは、docomoからauの指定機種に変えれば携帯代が値引きされるというものです。こういった機種を安くするキャンペーンは、他社から乗り換えないとほとんどつかないことが多いです。

このように、docomoやauの会社を切り変えることにより、月額料金を限りなく基本料金の2200円/月に近づけることができます。

MNP(他社へ乗り換える契約)の注意点

ただ、携帯会社を乗り換えるにはいくつか乗り越えなければならない壁があります。主にネックになるポイントは以下の3つです。

  • 解約手数料・転出料金が発生する
  • MNP予約番号を取得する必要がある
  • メールアドレスが変わる

以下で順に説明していきます。

解約手数料・転出料金が発生する

まず、移転元の会社をやめるとき9500円の解約料金がかかります。解約更新月という2ヶ月の期間中に乗り換えれば解約料金はかかりません。しかし、2ヶ月間しかないのでそのタイミングを狙って乗り換えるのはなかなか難しいです。

2年契約とは、2年経てばいつでも契約更新して良いというものではありません。2年と2年の間に2ヶ月間の更新月という期間が設けられており、この更新月の期間中に他社へ乗り換えれば、解約料金を発生させずに乗り換えることができます

しかし、2ヶ月しか解約金の発生しない期間がありません。そのため、ほとんどの人は解約料金の支払いを受け入れて他社へ乗り換えます。また、2年契約は自動更新なので契約期間と更新月が何度もループする仕組みになります。

また、会社をまたぐ契約のときに移転元の会社側から転出料という手数料も請求されます。こちらは3000円もしくは2000円です。他社へ乗り換えるときは必ず発生する料金となります。

この二つを合わせると12500円の手数料がかかります。

こう見ると負担がかなり大きいように感じます。しかし、そもそも「かけ放題プラン」込みのスマホの月額料金の相場は少なくとも8000円/月前後です。それに対して、格安スマホと電話用の携帯の2台持ちなら月額料金を3000円/月ほどまで下げることができます。5000円/月の差が出れば3ヶ月で手数料の元が取れてしまいます。

携帯料金を安くするときに言えることですが、一時的な負担よりも長期的な視点で物事を考えた方が結果的に得になります

考え方次第ですので、ここは先行投資と捉えましょう。

MNP予約番号を取得する必要がある

他社へ乗り換えるときは、移転元の会社からMNP予約番号を受け取らないと他の会社へ移ることができません。

MNP予約番号の取得方法には以下の3つがあります。

  • ショップで取る
  • 電話で取る
  • ネットで取る

私はこの中でネットで取る選択を推奨しています。なぜなら、ショップや電話ではショップ店員や電話オペレーターが自社に引き止めをしようと説得してくるからです。

「他社への乗り換えを考え直してくれればポイントを差し上げます」などと言って必死に引き止めようとしてきます。これに説得されてしまっては相手の思うツボです。

そういった引き留めの勧誘に惑わされないようにするには、最初から勧誘される場所に行かなければいいです。そのため、あらかじめセルフで申し込めるネットでの取得が一番オススメとなります。

【ネットでの予約番号取得方法の写真】

この写真のように、手順通り進めれば10分程度でMNP予約番号を取得することができます。電話では回線が混み合っているとオペレーターにつながるまでに10分以上かかります。ショップに至っては、2時間以上待たされることも多いです。

そのため、可能な限りインターネットで取得する方法を選択しましょう。

メールアドレスが変わる

docomoやau、softbankなどの携帯会社には専用のメールアドレスが付与されます。@docomo.ne.jpなどのドメインがこれにあたります。

docomoからauに乗り換えるとメールアドレスは@docomo.ne.jpから@ezweb.ne.jpというドメインに切り替わります。Amazonやfacebookなどのアカウント登録にもメールアドレスは役にたちますが、アドレスが変わると、アカウント情報を新しいアドレスに変える必要が出てきます。

また、Eメールでやり取りしている知人がいた場合、アドレスが変わったことをお知らせしなければなりません。この作業が面倒くさいという人は多いです。しかし、他社へ乗り換える方がキャンペーンがつきやすい傾向にあるので会社を2年で行ったり来たりする人は多いです。

そうしたときは、gmailやyahooメールなどのフリーメールを携帯で見れるようにしておけば、携帯会社が変わってもいちいちメールアドレスを変える必要はありません。

最初は面倒くさいかもしれませんが、一度だけその面倒を乗り越えれば、あとは携帯会社のメールアドレスに縛られる必要はなくなります。

スマホを電話用携帯にするときに注意すべきこと

いままで、「大手携帯会社の折りたたみ携帯+格安スマホ」で話をしてきましたが、「大手携帯会社のスマホ+格安スマホ」ではどうでしょうか。

結論から言うと、スマホは月額の料金が高くつくのであまりオススメしません。折りたたみ携帯よりも一時的に月額料金を安くすることもできますが、長い目で見れば損をします。

具体的にどのような注意点があるのかについて確認していきます。

高額な本体料金を安くするキャンペーンに潜む罠

そもそも、大手携帯会社のスマホはガラケーと違って本体料金が非常に高額です。折りたたみ携帯は約3万円ほどですが、現行機種のスマホでは約9〜10万円が相場になります。

しかし、他社への乗り換えでこの高額な本体料金が一括で買えるほど安くなるキャンペーンがあります。特にiPhoneは他社からの乗り換えで最新の一つ前の機種が本体一括0円になることも多いです。

そのため、電話用としてスマホを持とうと考えている人のほとんどは「本体料金さえかからなければ、スマホであっても基本料金のみで契約することで安く持てるのでは?」と考えている人がほとんどです。

しかし、それでもスマホを電話用として持つことはオススメしません。なぜなら、いまの本体料金一括0円キャンペーンにはさまざまな条件がついてくるからです。

一つは「端末購入サポート」と呼ばれる1年以内の短期解約でペナルティを課すキャンペーンです。

例えば、本体料金が元々64800円だった商品に対して、同金額の64800円の値引きを入れて0円で購入できる乗り換えのキャンペーンがあったとします。端末購入サポートの場合、1年以内に機種を変えると値引きをした約半額の料金が請求されます。上記の場合、32400円を負担しなければならなくなります。

これは、一括0円で端末を購入した直後に解約して転売をする人がいるため、それを未然に防ぐための措置となっています。

また、本体料金を一括0円にするキャンペーンに条件として、必ずといっていいほどインターネットのプランへの加入が必須となります。そのため、docomo、au、softbank各社においてどんなに安くても毎月の支払いは6500円/月からになります。このとき、以下のような料金の内訳になります。

  • かけ放題プラン 2700円/月(スマホ2700/月、折りたたみ携帯2200円/月)
  • インターネット接続サービス 300円/月
  • インターネット利用料金 3500円/月(キャンペーン条件の最安値プラン)

6500円になる計算式は「2700円(かけ放題プラン)+300円(インターネット接続サービス)+3500円(インターネット利用料金)=6500円(合計金額)」です。

つまり、本体を安くできたとしても電話プランのみの2700円/月にすることができず、インターネットの接続料金や利用料がプラスされます。さらに、最低でも1年は簡単に解約できないことになります。

低価格プランには有効期限がある

仮に本体料金の負担がないとして、auとY!mobileでは月2980円でかけ放題にできるプランが存在します。これでも折りたたみ携帯に比べれば高いですが、前述の大手携帯会社に比べればまだ安い方です。

しかし、この月額料金は1年間しか適用されません。1年後にはキャンペーンが消失するため、2年目以降は3980円/月まで上がってしまいます。

しかも、auでは最安値2980円/月(1年間のみ)を実現するためには、以下の2つの条件がついてきます。

  • インターネットの利用量を1GB未満に抑える(最大で月7480円まで増額)
  • 自宅のネット回線を指定の会社にしなければならない

まず、上記のauのプランは定額ではありません。インターネットの利用量に応じて料金が課金されていく仕組みになっています。1GB未満を維持するには、1ヶ月のほとんどを自宅や公共のインターネット環境(Wi-Fi)で利用しなければなりません。

また、自宅のネットとは、コミュファ光やTNC光などといった固定回線のことです。これをauが指定している会社やプランに変更する必要があります。なぜなら、指定の固定回線への登録がauスマートバリューと呼ばれる割引の条件だからです。

例えば、NTTフレッツ光などは対象外のため、コミュファ光やau光などに切り替える必要があります。契約はショップやネットなどで行います。手続きが終わった後は、業者と工事の日取りを決めます。そして契約者立ち会いのもと、数時間かけて工事をします。

そのあとは、対象の会社との契約や移転元のフレッツ光を解約する手続きも必要です。場合によっては1万〜2万円ほどの解約金もかかります。ここまでの過程を経て、ようやくスマホの料金が2980円/月(1年後は3980円/月)で利用できます。

このように、スマホを電話用として持つ場合、さまざまなしがらみがあることを頭に入れておきましょう。

以上を踏まえた上で電話用の携帯を所持すれば、格安スマホを持ちながら時間を気にせずに電話することができるようになります。


大手携帯会社では、ショップ店員に不要なオプションを付けられたり、複雑な条件で分かりにくかったり、なかなか理想的な契約を行うことができません。

一方で格安SIMであれば、Webから申し込むことで月1,500~2,000円などの通信料となります。また、プラン内容も、すべて自分の思い通りに決めることができるため、不要なオプションで金額が高騰することはありません。

ただ、格安SIMによって、以下のような違いがあります。

  • 通信速度の速さ
  • 特典やキャンペーンの充実度
  • アフターフォロー
  • ショップの有無
  • カード払い以外の支払いが可能か
  • 単独契約向けか複数契約(家族)向けか

これらを理解したうえで格安SIMを選ぶようにしましょう。以下のページで格安SIMの特徴を解説しているため、それぞれの事業者の違いを学ぶことで、格安SIMを選ぶときの失敗を防ぐことができます。